個人事業主の税金開業お役立ち講座

このブログでは現役の税理士である著者が実際にいただいた相談事項をもとにして税金に関する事柄を解説しています。読者登録していただくと泣いて喜びます(ToT)

個人事業主が節税で生命保険に加入するときに多い誤解や注意点を解説します

個人事業主が節税で生命保険に加入するときに多い誤解や注意点を解説

個人事業主として独立して事業も好調になってきた。 節税策として生命保険がよく例に挙げられているけれど個人事業主でも契約できる?
そもそも保険がなぜ節税になるんだろう?
できれば税金は払いたくないけれど、本当にうまいお金の使い方はないものか…。  

 当ブログは税理士が個人事業主やフリーランスの方からいただいたご相談などを事例ごとにご案内をしています。
今回は個人事業主が節税を行う上での生命保険についての会計処理や税務処理で疑問をいただいた事例をご紹介していきます。

個人事業主節税保険に多い誤解

個人事業主が節税で生命保険に加入するときに多い誤解

個人事業主でも通常の生命保険は経費にできない

一般的に個人で契約する生命保険は経費にはできません。

個人の契約の生命保険は確定申告時に所得控除というところで「生命保険料控除」の扱いになります。 所得控除は経費に近い扱いですが、生命保険料控除の場合には支払った金額がそのまま控除金額にはならないところに注意が必要です。

たとえば平成24年以降に契約した生命保険の計算方法はまず区分が三通りに分かれます。

  • 一般(新生命)
  • 介護
  • 個人年金

これらは契約している保険の内容になって異なります。

ちょうど10月ごろになると保険会社から控除証明書が送られてきます。 これは確定申告で生命保険料控除を適用するのに必要になるので取っておいてくださいね。 そこにある区分と金額を計算式に当てはめて計算します。

具体的な控除金額の計算方法は下記のようになります。

  (1) 新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
  • 年間の支払保険料等 控除額 20,000円以下 支払保険料等の全額
  • 20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円 40,000円超
  • 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
  • 80,000円超 一律40,000円
(注) 支払保険料等とは、その年に支払った金額からその年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額をいいます。
平成24年1月1日以後に締結した保険契約(新契約)については、主契約又は特約の保障内容に応じ、その保険契約等に係る支払保険料等が各保険料控除に適用されます。
異なる複数の保障内容が一の契約で締結されている保険契約等は、その保険契約等の主たる保障内容に応じて保険料控除を適用します。

(2) 旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。

  • 年間の支払保険料等 控除額 25,000円以下 支払保険料等の全額
  • 25,000円超 50,000円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
  • 50,000円超 100,000円以下 支払保険料等×1/4+25,000円
  • 100,000円超 一律50,000円
国税庁タックスアンサーNo.1140 生命保険料控除|国税庁

なかなか難しいですが、簡単に言うと新制度では最大12万円、旧制度では最大10万円しか控除する事ができません。

個人事業主でも法人のように経費にできる保険もある

では個人事業主だと保険料を経費にして節税する事はできないのでしょうか?

結論から申し上げますと条件によっては個人事業主でも経費にする方法はあります。
法人の保険でも有名なものとして2つの方法があります。

  • 定期保険
  • 養老保険

これらは個人事業主でも加入することが可能ですが以下の条件が必要になります。

  • 原則として従業員全員が加入すること
  • 従業員が家族だけでは不可
  • 受取人は事業主もしくは使用人の遺族であること

つまりここから分かる事は「ひとり(もしくは従業員が妻だけ)個人事業主やソロのフリーランスは経費にするのは不可」という事です。
とはいえ、従業員がいるからと加入しても節税という意味では微妙化もしれませんね。 

個人事業主が節税で生命保険に加入するときに多い悩み

個人事業主が節税で生命保険に加入するときに多い悩み

保険の何が節税なのか?→保険は税金の繰延に過ぎない

保険の何が節税となるのでしょうか?それには所得税の仕組みが関係しています。

所得税の税率は消費税の8%や10%のように一律ではありません。 もうかった金額(所得)が大きいほど税率が上がり、所得税率は5%~45%まで税率に幅があります。(2018年現在)

つまり、保険料などを払って経費にできれば結果として所得が小さくなります(所得)から、所得税率が低くなる→支払う税金も少なくなるという仕組みができあがります。

ただ、私は安易に保険をクライアントにも勧めていないのは、事業資金というのは税金の支払いだけ見てはいけないという事です。
たとえ税金が少なくなったとしてもお金が出ていったという事実は変わりません。 保険に加入されるとしてもその事だけは忘れないようにしてください。
保険も結局は満期や解約で支払った金額を戻せなければ払い損です。この辺は保険会社の方はあまり説明しないので、数字と言葉のトリックにご注意下さい。

保険以上に節税策として使えるものは?→まずは小規模企業共済がおススメ

という事で個人事業主やフリーランスならばまずは保険よりも小規模企業共済をおすすめしています。

というのも小規模企業共済自体が個人事業主やフリーランスのための退職金制度であり、掛金は全額が所得控除扱いとなります。
これだけでも生命保険の個人年金よりもお得ですよね?個人事業主や法人の役員でないと加入できないという制約があるように一般の人が加入できないからこそ加入しておくべきです。
こちらは月額最大7万円(年払いも可能)で年に84万円も所得控除として使用できます。 運営がそもそも中小機構という準公的なところが運営しているので安心でもあります。
途中解約もOK(掛けた年数が20年以上で掛金以上もらえます)ですし、最終的にもらう時には一度にもらえば退職所得扱いになります。(分割だと公的年金の雑所得扱い)

正直なところ、税理士仲間や利益を出している企業の役員や個人事業主の方で加入していない方はいないというほどです。 どうか小規模企業共済を第一に考えていただければと思います。

www.smrj.go.jp 

個人事業主が節税で生命保険に加入するときのアドバイス

個人事業主が節税で生命保険に加入するときのアドバイス

節税をするなら税金だけを見ない

先ほども記載しましたように税金だけに着目してしまうと危険です。 税金を減らす極端な方法は事業で赤字になれば良いという事。

ですが、本当であれば赤字では生活費も残らないですよね? この世に魔法のような節税というのはありません。そんな方法があるのであれば税理士である管理人も知りたいぐらいです。

どうか資金繰りや節税策の仕組みも理解して使用するようにしてくださいね。

税理士を活用するという方法もあります

とはいえアドバイスをもらいたいという場合にはやはり税理士に頼ると良いでしょう。 税理士と言えば継続的な顧問契約がすぐに思い浮かんでしまうかもしれません。

また、個人の確定申告だけを代行して行うように相談者さんが依頼したい仕事だけのニーズに対応した税理士が増えています。 一度はあなたにピッタリ合った税理士を検索されてはいかがでしょうか?
あなたの事業が今後さらにうまくいかれるのを心から願っております。 

以上がお伝えしたかった個人事業主が節税で生命保険に入るときについての内容となります。 本稿が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです。