個人事業主の税金開業お役立ち講座

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2019年の確定申告の経費の期間は?個人事業主は注意しておこう

2019年の確定申告の時期も近づいてきました。個人事業主の皆様はそろそろお尻に火がついてきた頃でしょうか?確定申告の提出時期は毎年2月16日~3月15日です。(税金の戻る還付申告は1月1日から可能です)

独立開業したら支払ったものを経費にできる事は分かった。
でも待てよ…開業前から結構支払いがあったんだよな。 税務署に出した開業届とかより前の期間だからこれって経費にはならないかな?
経費ってのはどういう扱いになるんだろう?そもそもどういう期間で区切られるのだろう?  

独立開業すると何かと物入りで支出も多いことでしょう。 あれよあれよと支払うものが出てきたりしますね。

ですが、そもそも独立開業前から費用が発生していたりもしますよね?
今回は、事業を開業してからの経費の期間や独立開業前の経費について記載いたします。

確定申告の経費期間に個人事業主が誤解すること

確定申告の経費の期間に多い誤解

開業前の支出は経費にならない?

結論から申し上げますと開業前の支払いも経費となります。

ただし、単純に経費として計上されるワケではないのです。 会計用語でいえば「開業費」という無形の繰延資産というものを経費と同じように処理する必要があります。

「開業前にお金を使っても経費にならないし、開業したらそこから本格的に動こう」という人がいらっしゃいますがそれは誤りと言うことですね。

開業してから色々と準備を進めるよりも開業前に動いていた方が準備万端で独立開業できるということです。

経費を計算するのはいつからいつまで?廃業まで一切計算しない?

独立して事業を始めていつまでも売上や経費を計算しない事はあるのでしょうか? 答えから言えば強制的に一定の期間で損益を計算する時は訪れます。 というのも法人や個人事業主のもうけである所得から支払う税金がいくらになるかを算出しなければならないからです。

それが確定申告というイベントになります。 確定申告をするための計算期間は以下のようになっています。

  • 個人…1月1日~12月31日
  • 法人…法人で定めた会計期間(事業年度)で、最大でも12ヶ月ごと

開業した1年目は個人も法人も開業日(設立日)から事業年度終了の日まで(個人は強制的に12月31日)が計算期間となります。 いつまでも計算期間が決まらないと税金を廃業まで納めない事になってしまいますから、強制的に最大でも1年ごとに区切らせるのです。  

確定申告の経費の期間に個人事業主が多く悩むこと

確定申告の経費の期間

事例1:そもそもどんなものが開業費となるのか?

開業費という概念がそもそもよく分からないんです。
開業費といっても自宅だから自分のお店に看板やお花を出すワケでもないし?

具体的に開業費となるならない経費について見ていきましょう。

開業費の例示

開業費は開業日までに支払ったものですから、具体的に考えられるものとしては下記のようなものが生じるでしょう。

  • 旅費交通費
  • 交際費
  • 会議費
  • 消耗品費
  • 事務用品費

開業費とは処理しないもの

その他にもすぐに思いつく事務所を借りたり固定資産となるもの(最近はノートパソコンが多いでしょうか)を購入したりという事が開業費に入っていません。

というのもこれらは通常通りの会計科目で経理処理することとなります。 10万円以上(青色申告の特例を使えば30万円以上)のものは固定資産となりますから、パソコンは「工具器具備品」となります。

また、事務所を契約したら発生する「敷金」や「差入保証金」は無形の固定資産として計上すれば良いです。(経費にはなりません

事例2:開業費はいつからのものが有効?

開業費と言っても、税務署に書類出す前から色々と動いていたんだよなぁ。
できるだけ今までの支出を経費にしたいよ。

「開業費はいったいいつからの領収書が認められますか?」こういったご質問をいただく事もあります。

開業費となる経費の具体的な期間は明示されていない

明確に開業経費として認められる期間というのは税法で明示されていません。

事業によっては開業する数年前から動いている事もあるでしょう。 直接的な関係があると分かればそれらも認められると考えます。ここが通常の経費と異なる開業費が無形の繰延資産だと言えます。

ただし10年前などあまりに古いものは開業費として処理するのは難しいでしょう。

通常は計算期間内でなければ経費に認められない

通常の経費は計算期間内のものでなければ認められません。

例えば、確定申告をして後から前の計算期間の経費の領収書が出てきた場合には前期間の確定申告を再度申告し直すという事が必要となります。

ですから日頃から経理を行い、経費の抜け漏れがないかをよく確認しましょう。

開業費の経理の仕方について

開業費の経理処理については繰延資産資産として処理し、原則として5年で償却(資産を経費にすること)していきます。

ただし、任意で償却できるとも国税庁の資料では示されているので実際には支出した金額すべてを経費処理しても問題ないという事になりますね。

参考:国税庁資料「繰延資産の範囲について」

これなら最初から消耗品費や旅費交通費として処理しても良い気もしますが、厳正に税務会計処理に載っとるのならば下記のようになります。

期中:開業費として繰延資産に計上
期末(決算):繰延資産償却として開業費を取り崩す

と、具体的な処理をお話しましたが、今まで開業費が否認された(経費として認められない)事例は聞いた事がありません。  

確定申告をする個人事業主へのアドバイス

確定申告の期間

開業前の立替経費分は開業後に無税で会社や事業口座から返金可能

物理的に代表者や個人事業主が開業前は立替をして経費を支払うかと思います。

それでは独立開業前の経費に使ったお金は誰が負担するのでしょう? 立替分を法人口座や事業口座から引き出すのに税金がかかるのでしょうか?

ご安心ください。それら立替した金額というのは法人が設立されたり、事業用の資金が明確になってから自由に引き出す事ができます。

余談ですが、法人の場合には立替金というようりも「役員借入金」や「短期借入金」という科目を使用します。 これらは会社が役員に借金している金額なので給与扱いなどせずに返金してもらえるお金となります。

いずれにせよ日頃から領収書はしっかり保管しておくこと

開業費にするにしても経費にするにしても領収書やレシートの存在が必要です。

最近はネットでの購入はメールで購入明細が載って来るでしょうが、それらのメールもしっかりと保管しておいてください。

なお、厳密にはクレジットカードの明細は税法では証憑(しょうひょう)として認められないとされています。 納得いかないかもしれませんが、税法で定められている以上店舗などでクレジット購入した場合にはレシートや領収書は渡されるでしょうから保管してくださいね。  

 

以上がお伝えしたかった2019年以確定申告をする個人事業主が経費の期間についての内容となります。本稿が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。