個人事業主の税金開業お役立ち講座

このブログでは現役の税理士である著者が実際にいただいた相談事項をもとにして税金に関する事柄を解説しています。読者登録していただくと泣いて喜びます(ToT)

開業した個人事業主さん、源泉徴収の扱いに困っていませんか?

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個人事業主として開業して確定申告をする事になった。 売上はすべて通帳に振り込まれてくるから問題ないな。
あれ?でも待てよ? 源泉徴収しないといけないとかで毎月の売上からは税金が引かれて入金してきてたよな? これって売上の金額と違ってしまうけれど構わない?
実際の入金額が確定申告するときの収入金額とやらでよいのか?

先に支払った税金は安くなるんじゃないの?なんか損しているような気がするけど そー言えば従業員の税金も毎月預かっていたなぁ…。

個人事業主やフリーランスとして独立開業すると「源泉徴収」という問題がありますね。 源泉徴収という言葉は会社に勤めていた人は「給料から毎月取られていた」という感覚はあっても、実際に確定申告となると分からない方も多いのではないでしょうか?

当ブログは税理士が個人事業主やフリーランスの方からいただいたご相談などを事例ごとにご案内をしています。
今回は開業して源泉徴収された税金は確定申告でどう扱われる?という疑問についてご紹介してます。

開業した個人事業主の源泉徴収に多い誤解

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所得税の源泉徴収とは?

そもそもいきなり源泉徴収額などと言われてお金が取られていると驚きですよね? 源泉徴収とは簡単に言えば「所得税及び復興特別所得税の事前預かり」です。 源泉徴収の金額は下記のように定められています。

【支払金額(=A) 税額】

  • 100万円以下 A×10.21%
  • 100万円超 (A-100万円)×20.42%+102,100円

参考:国税庁タックスアンサー

このように源泉徴収税額は計算されます。 日本では個人からの請求による売上に対して前払いで所得税を取引先に預かる必要があります。

なお法人間の取引だと必要ありません。

源泉徴収されると個人事業主やフリーランスは損?

源泉徴収された時にはその分の入金額が減るので損したように感じますね。

しかし、これは間違いです。 取引先が源泉徴収した金額で私腹を肥やしている訳ではありません。 取引先の方では源泉徴収により預かった所得税は、預かった月の翌月10日までに取引先があなたの代わりに納税しているのです。

また、個人事業主やフリーランスは確定申告をする時に取引先に支払った源泉徴収税額を記入する欄があり、実際にあなたが納める税金からその金額を引くことになるのです。

ですから取引先が得をしているワケでも個人事業主やフリーランスが損をしているワケでもないのですね。

個人の源泉徴収は単に取られたくないでは相手に迷惑がかかる

個人事業主やフリーランスの中には「手取りが減るから源泉徴収しないで欲しい」という方がいらっしゃいます。

そのような場合にあなただけの問題ではなく、源泉徴収をしなかった取引先にペナルティが発生するというのはご存知でしょうか?

取引先が源泉徴収しているのは単に気分なのではなく「源泉徴収義務者」という所得税をあらかじめ預かる義務の法律があるからなのです。

取引先に税務調査が入った時に源泉徴収をしていない事が分かってしまうとその分を取引先が税務署に納めなければいけません。

また、利息のような意味合いの罰則の追加税金として延滞税も付きます。(年利最大14.6%) そのようなリスクを背負ってまであなたに仕事を頼みたいと思うでしょうか?

もし契約を更新されなかった場合には取引先にそのようなお願いをしていないですか?

個人事業主が確定申告で源泉徴収に悩みやすいところ

開業確定申告源泉徴収に多い悩み

源泉徴収された金額は確定申告でどうすればよい?

実際に個人事業主やフリーランスの方が使用する確定申告書Bの第一表(一番上のページ)をご覧ください。 そうしますと、半分より右側に源泉徴収をされた金額を記入する欄があります。 下記のような部分です(国税庁:確定申告書記載例より)

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ここに一年間で取引先に預かってもらった源泉徴収税額を記入します。 最終的な所得税と復興特別所得税からこの金額を引く事になります。

なお、実際の税金よりもこの金額が大きい場合には、すでにこの金額は実際に支払っているので返金(還付)されます。 くれぐれも確定申告書の一番右下の還付口座の欄に銀行の記載漏れのないようにしてくださいね。

ときどきいらっしゃるのですが、「取引先から源泉徴収されているのを忘れて確定申告書にその金額を記載していなかった」という場合。 本当は税金が戻ってくるはずなのに3月にも納めていたという何とももったいない場合があります。
そういう時でもご安心ください。 確定申告の「更正の請求」という方法で間違えを正して税金を取り戻す(還付)する方法が取れますので。
なお、確定申告期限から5年間までさかのぼれるので、何年も間違えている場合には面倒でも更正の請求をするのをおススメします。 詳しくは国税庁のページを参考にして下さいね。

[手続名]所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続|国税庁

どんな仕事でも源泉徴収されるの?

ここは取引先も勘違いしやすいところですが、個人事業主やフリーランスならば何でもかんでも源泉徴収するわけではありません。

国税庁の方で源泉徴収しなければいけないものは決められています。

No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁

あなたの仕事が本当に源泉徴収されるべき仕事かどうかは確認した方が良いです。 特にプログラミングなどはデザインでなければ源泉徴収は通常必要ありませんのでご注意ください。

従業員の給与も事業主の源泉徴収と同じ?

あなたが取引先に源泉徴収されるような仕事であり、一方で従業員を雇って仕事をしてもらいながらあなたが給料を払っているような場合です。

このような場合にはあなたの確定申告まで従業員の所得税を預かったままではいけません。 原則として、毎月給料の支払い時に預かって翌月10日までに税務署に納税します。(特例を使えば半年に一度の納税でよくなります)

また、開業時に開業届や青色申告と一緒に給与支払いの届出をしていなかったのであれば提出する必要もあります。

[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁

 

これを提出する事により給料を払っている旨を税務署に通知するのです。 届出をすると税務署からは従業員から預かった給料を納税する納付書(下記参照)も送られてきます。 

実際の源泉所得税の納付書

余談ですがこの納付書では税理士などの士業から預かる源泉徴収も一緒に支払いします。  

開業した個人事業主の源泉徴収のアドバイス

経理をしっかり行う事で本当の事業の金額が分かる

冒頭のように入金額で計算していると実際の請求額とはズレるので自分の事業の金額が正確に把握できないですよね。

また、通帳だけの入金管理では現金支払いの経費も考慮されていないでしょうから実際の利益も把握できないのではないでしょうか? ですので通帳だけで管理するのではなく、会計ソフトを用いて経理をきちんと行うというのを推奨しています。

開業したての個人事業主やフリーランスのとっかかりとしては無料期間があって試せるクラウド会計がおすすめでしょう。 管理人の推奨としては

  • 多少の簿記の知識があるのであればMFクラウド(マネーフォワードクラウド)
  • 簿記の知識がまったくないのであればfreeeがおススメです。

以上がお伝えしたかった「開業した個人事業主の確定申告での源泉徴収」についての内容となります。

本稿が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです。 このページを最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。