個人事業主の税金開業お役立ち講座

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個人事業主の開業経費はいつから有効なのか?という疑問

独立開業して売上をひたすらあげて収入を得なければいけない状況なのはよく分かった。 収入がないとやっていけないし。 ただ、経費というのがイマイチよく分からない。 いつから経費を計上できるのだろうか?そもそも事業の経費って何なのだろう?

独立開業して開業届を税務署に提出すると「事業所得」という区分での確定申告が必要になります。ですが、いきなり確定申告や経費などと言われてもよく分からないのではないでしょうか?

当ブログでは、現役の税理士が事業を営む自営業代表や税務担当からいただいたご相談などを事例ごとにご案内をしています。

今回は開業してからの経費はいつから有効(計上)なのか?という実際に納税者の方からいただいた疑問について記載いたします。

個人事業主の開業した経費に多い誤解

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何でも経費に計上するのは間違え

「個人事業って飲み代とか旅費を経費で落とせるからいいよなぁ」 こんな風にサラリーマンの人から言われる事があります。

しかし、個人事業をしているからと言って何でも経費にするのは誤りです。 そうやって何でも経費にしていると、税務署が正しい確定申告をしているかどうか調べる「税務調査」が行われた時に痛い目を見る可能性があります。

あくまで事業の経費として使ったものだけが経費として計上する事ができるのです。 プライベートの旅行や食事は経費にはなりません。

経費に計上できるのは開業した日以降のもの

それでは経費に計上できる領収書などはいつからなのでしょうか? 原則として経費が計上できるのは「開業日」以降となります。 当ブログの他の記事でも記載しておりますが、独立開業したら必ず税務署に開業届は出しましょう。

逆に開業届も出さずにいると、税務調査で開業前だからと経費を否認(経費に認められない)される事になりかねません。 そのためにも開業届の提出は速やかにする事をおススメしています。

開業以前に支出した経費は「開業費」として経費になる

とはいえ、独立開業前にお金を出して動くことも多々ありますよね。 実はそれらも結果的には経費にする事ができます。 ですので、開業前だからと領収書をもらわなかったり領収書を捨ててしまうというのは勿体ないです。 必ず領収書は開業前から取っておきましょう。

ただ、開業費は通常の経費とは性格が異なり「繰延資産」という資産になります。

  • 通常の経費…支出した年の経費として計上する
  • 開業費…60か月の均等償却又は任意償却により償却する(経費にする)事が可能です。

結論から言えば開業前の経費も通常の経費とは科目こそ異なりますが、開業一年目に経費として計上する事が可能という事です。  

個人事業主が開業経費をいつから計上するかの悩み

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開業してからどんなものが経費になるか

「独立開業したは良いけれど、どのようなものが経費になるかよく分からない」 という質問もよくお受けします。 ほとんどの業種で出てくるであろう経費の例を挙げておきますので参考にしてください。

  • 材料の仕入れなど
  • 従業員の給料
  • 自宅兼事務所(賃貸に限るし、事業スペースのみが経費)
  • 水道光熱費(事業スペースのみ)
  • 交通費
  • 駐車場代
  • 燃料代
  • 取引先や顧客との打ち合わせの飲食費
  • 振込料
  • リース料
  • 郵便代
  • 切手代
  • 印紙代

業務でのお金の支出はほぼ経費になるという事ですよね。 なお、いつでも領収証を必ず書いてもらう人がいらっしゃいますが、レシートでも十分経費になります。

むしろ領収証の宛名が「上様」となっているものの方が、税務署から注意される事もあります。時間をかけて領収証を書いてもらうぐらいならばレシートで十分ですからね。

開業してからの経費の事業按分とは?

先ほどの例の中で自宅兼事務所を挙げておきました。 自分の家の一部を作業用スペースとしていたりする場合ですね。 自宅というのはプライベートの場所が本来です。ですから経費にはできません。

しかし、作業用スペースというのは事業で使っているという事ですよね。 こういう時に使うのが事業割合による按分計上です。 自宅兼事務所の場合には自宅の床面積から事業用スペースの面積を割合で出し、支払う家賃を事業用の割合で経費に計上します。 時々見かけるのが「なんとなく家賃の2分の1を経費にする」というもの。 これははっきり言ってほぼ税務調査では否認されると思って下さい。

按分割合は家賃だけでなく水道光熱費や通信費、ガス代などでも考慮が必要です。 間違った経費計上をしてはいらっしゃらないか確認しましょう。

開業経費いつから?に対するアドバイス

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開業しても経費にならないものはならない

個人事業主やフリーランスというのはプライベートの自分と事業を行う自分というのは別の人格だと考えて下さい。 ですから、例えばお歳暮やお中元でも、単なるプライベートで親戚などに送るものは経費にはなりませんが、事業の取引先に送るものは「交際費」となります。

このように個人事業主の経費計上はある意味自制心との戦いでもあります。 少しの金額ならばバレないからいいかな?というところから段々金額が大きくなっていってしまう。という例はいくつも見てきました。

税理士が見て違和感を感じるような経費は税務署の調査官もすぐに分かると思った方が良いでしょう。 経費にならないもの専門的な人が見ればすぐにバレる事は覚えておいてください。

開業して経費が計上できても脱税だけは絶対ダメ

開業して経費を使えるようになるとこういう風に考える人がいます。

「売上▲経費=所得」ならば経費が多ければ多いほど所得は低くなるから経費を無理に作ってしまおう。

プライベートの経費が事業経費にならない事は先ほどお伝えしました。 それだけに飽き足らず、実際には存在しない架空の経費を計上する人も世の中にはいらっしゃらいます。 それは税務上一番やってはいけない事なので、税務調査の特にそれらが発覚すると重い罰則的な税金がかかります。

  • 過少申告加算税…10%~15% 申告した税金が少なかった事による加算税
  • 重加算税…35% 悪質な税金逃れの場合などに課される一番重い加算税です。
  • 延滞税…税金を滞納する事により加算される利息のようなものです。

こういった加算の税金を払う事のないよう、まっとうな確定申告をされる事をおススメいたします。

過去に立会した税務調査でも実は手書きの領収書の住所にお店が無い事を見破られたり、実際には存在しない人が従業員の中にいたことがありました。
特に現在はスマホで住所をGoogleに打ち込めばすぐに出ますし、架空の人件費はマイナンバーの有無で調べれば一発です。
不正は今後もさらにやりにくく、正しい方法で申告を行う人に日が当たる方向性となるでしょう。

税務署のそういったものを見破る力を甘くみてはいけないとだけ今までの私の経験からも言えます。

 

以上がお伝えしたかった個人事業主の開業経費いつから有効なのか?についての内容となります。

経費の計上の仕方で個人事業の所得税や住民税はかなり変わってきます。 事業を大きくするためにも税理士についてもらって、どのようなものが経費になるか?などもアドバイスしてもらうのも良いかもしれませんね。

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