個人事業主の税金開業お役立ち講座

このブログでは現役の税理士である著者が実際にいただいた相談事項をもとにして税金に関する事柄を解説しています。読者登録していただくと泣いて喜びます(ToT)

個人事業主が開業して引越しするときによく覚えておきたい事は?

個人事業主が開業して引っ越しをするときの誤解や悩みを税理士が解説

独立開業して以来自宅兼事務所だったけれど、事務所を新たに借りて事業関係のものはそちらに引越しした。 独立開業して気持ちも新たに出発だ!
あれ?待てよ。引っ越しって事業の経費になるのかな?

でも自宅ってプライベートだけど経費にしても良いものか?

法人で自宅を社宅にしているけれど、この引越しってすべて会社の経費になるの?
自宅の光熱費とかも同じように経費になるのかな?

個人事業主というのはプライベートと事業が表裏一体というところですね。
それだけに経費にする支出も非常に迷いやすいところです。

そこで今回は、開業したての個人事業主が引越しをした場合についての経費の取扱いについて記載いたします。 

開業した個人事業主が引越しするときに多い誤解

開業した個人事業主が引っ越しで多い誤解

個人事業主の自宅兼家賃の引越し代はすべて経費になる?

あなたの事業が自宅兼事務所である場合には引越し費用全額が経費にはなりません。

というのも個人事業主やフリーランスにおいて経費になるのは税法上「必要経費」というものであり、経費として認められるものは事業に直接必要な費用であることというきまりがあるからです。

それだけにプライベートの個人部分も混在する自宅兼事務所では全部を経費にする事はできません。 それではどのように経費にするかと言えば「事業割合で按分する」という方法を取ります。
事業割合は例えば事業の事務所となっている部分を全体の床面積から出して、その割合を引越しによって出てくるひように乗じてあげれば良いでしょう。

<事業割合の例>
  • 総床面積70㎡
  • 事務所スペース10㎡
事業割合=10㎡÷70㎡=0.14(小数点2位以下切り捨て)

あくまでこれは一例ですが、いざという時に税務署が税務調査でやってきた時の説明として納得させられる合理的な方法になります。

間違っても「何となく事務所スペースは全体の3分の1」のような方法は採用しないでくださいね。

引越ししても市役所だけで手続きは大丈夫?

これは個人事業主も法人も同様ですが、もし引越しをした場合には市役所で個人の手続きを届出するだけでは終わりではありません。

税務署と市区町村、法人の場合には都道府県(東京都は都税事務所)にも「異動届」を提出する必要があります。
開業届と同様に、税務署の方ではあなたが引越ししたのを把握はできません。 提出期限は「異動等後速やかに」とされておりますからくれぐれも忘れないようにしましょう。

下記に税務署に提出する書類のダウンロードページをご案内しておきます。  

No.2091 個人事業者の納税地等に異動があった場合の届出関係|国税庁

開業した個人事業主が引越しするときに多い悩み

個人事業主が開業して引っ越しをするときに多い悩み

引越しにかかる費用は可能な限り経費にしたい

それでは実際に引越しをする場合にはどんなものが経費としての対象となるか考えてみましょう。

  • 引越し業者への代金
  • 引越し業者への差入れ
  • 現在住んでいる自宅の原状回復費用
  • 退去までの家賃
  • 不動産業者への仲介手数料
  • 新居の敷金
  • 新居の保証金
  • 新居の礼金
  • レンタカー代(自分で引越しする場合)

敷金と保証金のような退去時に通常返還されるようなものは経費にはならず資産となります。 

個人事業主は名義自体が個人ですから、引越しにかかる費用を経費にするには先ほど算出した事業割合での按分が必要になってきますね。

礼金も退去時には返ってこない事がほとんでしょうが、会計上で経費にするは少々特殊な処理となりますのでご紹介します。

  1. 礼金の金額が20万円未満…通常どおり一度に経費処理(支払手数料などでOK)
  2. 礼金の金額が20万円以上 ・契約期間5年以上…5年間で期間按分経費にする ・契約期間5年未満…契約期間で按分して経費にする

今回の事に限らず会計ではこのように金額が大きくなると一度に経費にできるかを調べた方が良いです。

購入した住宅も経費に計上しても良い?住宅ローン控除に注意!

先ほどまでの話は自宅兼事務所や社宅といったものが賃貸の場合です。

これが特に個人で購入した住宅に引っ越すのであれば注意が必要です。 住宅ローン控除を受ける場合、住宅ローン控除の適用部分は住居使用部分だけです。

それだけに下手に引越し代などの費用を事業の経費にしてしまうと、厳しい税務署の方は経費を修正しないと住宅ローン控除の適用を100%は受けられないと否認してくるかもしれません。

住宅ローン控除は100%で受けるのが一番納税者有利となりますから、特に購入した自宅に関する引越し代を経費にする場合にはご注意ください。  

開業した個人事業主が引越しするときのアドバイス

個人事業主が開業して引っ越しをするときのアドバイス

今の住居で悩まされているなら引越しはかなり良い方法

自宅兼事務所だと隣人などの周囲の部屋とのからみもあるでしょう。

事業に集中できないようなストレスフルな状況であれば思い切って今の場所から引越しを考えるのはとても良い事です。
仕事をしながら引越し作業をするのは少しづつしか準備が進まないなどの苦労は多いですが、引越した後の気持ちの清々しいコト!

マンションアパートの騒音問題などで悩んでいる人こそ心機一転した時の気持ちよさも相当でしょう。

何度か引越ししている経験者から申しますと引越しのポイントは3つあります。

  1. 引っ越し業者は一社だけで決めない
  2. 面倒くさがらずに直接見積もりに来てもらう
  3. 値段を求めるなら繁忙期(3月~4月上旬)は避ける

引っ越し業者が一日に何社も出入りするのは正直面倒くさいです。

しかし、本当に引越し料金というのは変わります。 とはいえ、管理人も過去の引越しでも最安と最高の差額で新しいエアコン代がまかなえましたからね。

ですから引っ越しをする際の管理人のやり方は引っ越し見積もりはすべて同じ日にし、3~4社を呼んで見積りの値段を出してもらうという事をしていました。

引越し業者さんたちも慣れています。時には時間がスライドして2社が同時に見積りなんて事もありました。(さすがにそれはやりづらかったのでおすすめしません…) お悩み中であれば一日も早く騒音問題から解放されるのを願っています。 

税金関係の手続きや経費処理を考えるのが面倒であれば税理士の利用も考える

税金に関連するものって本当に手続きが面倒くさいですよね。
そして、経理するのはお金を生むものではないし会計処理も複雑で考えるのが嫌になったりしませんか?

であれば税金や会計関係はプロである税理士に依頼してしまうという方法もあります。 今は自分が行ってほしい業務だけを行ってくれるような税理士を気軽に見つけられるようになりました。

  • 会計処理を依頼したい
  • 経営の相談にのって欲しい
  • 確定申告だけして欲しい

そういった特徴に合致する税理士を探してみてはいかがでしょうか?

近所の税理士を探している方はコチラ
あなたの事業がうまく行くのを心から願っております。  

 

以上がお伝えしたかった「開業した個人事業主が引越しするとき」についての内容となります。
本稿が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。