個人事業主の税金開業お役立ち講座

このブログでは現役の税理士である著者が実際にいただいた相談事項をもとにして税金に関する事柄を解説しています。読者登録していただくと泣いて喜びます(ToT)

個人事業主は法人を作って給料をもらう方が有利なの?

個人事業主は法人作って給料をもらう方が有利なの?

個人事業主として数年やってきたが安定して黒字が多くなった。まぁそれは良い事なんだけど、支払う税金もかなり多くなってしまった。
巷で聞くと個人事業主でやっていくよりも法人を作って給料をもらう方が税金は少なくて済むような話もあるみたいだ。
けれど法人を作ったら面倒くさいとかも聞くけどどうなの? 本当に法人にする事にメリットはあるんだろうか…。

個人事業主やフリーランスの黒字が大きくなってくると所得税は右肩上がとなり最高税率だと45%にもなってしまいます。(2018年現在)

さらに住民税・事業税・消費税も合わせると半分以上の金額が税金になってしまう現実に納得いかないのもホントによく分かります。

当ブログでは税理士の管理人が個人事業主やフリーランスの方からいただいた相談をご案内をしています。 今回は「結局のところ個人事業主は法人を作って節税するのが良いの?」という疑問に焦点をあててご紹介していきます。

個人事業主が法人を作るうえで陥る誤解

節税で給料をもらう方が有利だと誤解する個人事業主

法人にすると所得税が減るメリットばかりでもない

個人事業主やフリーランスが事業を法人にして自分には会社から給与を支払う形にすると確かに所得税の税率は落ちます。 しかし、一方で法人側で決算を行い法人税・住民税・事業税も納めます。

税金面だけでなくキャッシュアウトの観点から言いますと、法人の決算というのは個人事業主の方が自分で申告するのは難しく、税理士に報酬を支払って申告してもらうためその費用も考慮する必要があります。

さらには法人になりますと社会保険(健康保険・厚生年金)加入というのはたとえ一人社長の会社でも任意ではなく義務です。この部分についても出費が増える要因になります。 安易に法人にしてしまって後悔しないようにして下さいね。

法人にしてしまうと個人の時よりもお金は自由に使えない

法人というのは個人とは別の人格です。自分が株主で社長だろうと自由にお金を使えるワケではありません。

あくまで会社に入ってきたお金を自由に使えるようにするには、そのお金を給与として支払った場合だけです。 よくあるが会社に入ってきたお金を自由に使い過ぎて決算の時に社長に対する「貸付金」が多く残るというパターン。

この場合にはたとえ自分が株主であり、社長であっても利息をつけて会社に返さなければいけません。 もし利息を取らずに貸付をしていますと、税務調査の時に認定利息といって利息分が申告漏れとして指摘されます。

そういった観点で言えば個人事業主やフリーランスというのはまだ楽にお金を使う事ができると言えます。 その辺もよく考えて法人を作って給料を出すようにするかを決めましょう。  

節税で法人を作った方が有利なのかという悩み

節税で法人を作った方が有利なのか悩む個人事業主

どのぐらい利益が出るようになったら法人にするべきなの?

ここが個人事業主やフリーランスをしていると気になるところではないでしょうか? 正直なところこの法人化するラインというのはアドバイスする人により異なります。

ただ、私は目安として「所得金額が1,000万円を超えてきたら法人化を考えてはいかがでしょうか?」とお伝えしております。 時々「売上高が1,000万円超えたら」という方もいらっしゃいますが、それは正直時期尚早だと思っています。

理由としては先ほどもお話したように法人の方が個人の時よりも発生する費用が増えるからです。 増える可能性の高い費用を一覧にしてみましょう。

  • 会社の登記(登録免許税などの税金)
  • 司法書士報酬(設立を頼むなら)
  • 税理士への顧問料や決算報酬
  • 社会保険料(厚生年金・健康保険)
  • 社労士報酬(労働保険の申告など)

簡単に挙げただけでもこれだけあります。 正直売上高が1,000万円では法人にした方がトータルでは個人の時よりもキャッシュはマイナスでしょう。安易に法人化を勧める税理士も多いので気を付けて下さい。

個人の税率だけで法人化を考えてはいけません。それは木を見て森を見ずという事にしかならないからです。

法人化する事での金銭的以外でのメリットはないの?

法人化は節税のためだけにするのでしょうか?それだけの理由で法人化する方も多いのは確かです。

ただ、それ以外でも法人の方がやはり社会的な信用度が違いますので、法人にした方がメリットになる事もあります。 信用力を考える場合には早期に法人化する事も十分に選択肢に入ります。

というのも大企業と取引する場合には、取引先から決算書を求められたり先方からリサーチがかけられたりする(帝国データバンクや東京商工リサーチなど)場合も多いからです。

あなたもビジネスがそういった事を視野に入れる事業でしたら、社歴を作る意味でも税金を度外視して早めに法人化しても良いでしょう。  

個人事業主が法人を作るという場合のアドバイス

節税で法人を作ったら良いのか悩む個人事業主へのアドバイス

個人か法人か自分で分からない時は税理士に相談を推奨します

ここまで個人事業主やフリーランスが自身の税金を少なくするために法人を作るのが良いのかどうかについてお話してきました。

とはいえこういったブログでは不特定多数の方に向けた一般論のお話しかできないのが事実ではあります。実際にはあなたの事業の状況やプライベートの状況をお聞きした上でこそ本当に法人化するかどうかアドバイスできます。

意外に私も相談者さんのお話をお聞きしますと、家族の状況とかを含めると法人化しない方が良かったりもするのです。社会保険(国民年健康保険が健康保険になったり)の扶養とかも関係してきて。

税理士と言えば継続的な顧問契約がすぐに思い浮かんでしまうかもしれませんが、管理人のように単発の相談を行う税理士もいます。 最近では相談者が依頼したい仕事だけのニーズに対応した税理士も増えています。

以上がお伝えしたかった「結局のところ個人事業主は法人を作って節税するのが良いの?」についての内容となります。本稿が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです。